ピアノが弾けない主な理由は
1、指が上手く動かせない
2、次の音を思い出せない
の2つだと思いますが解決方法は1つで済みます。それはどちらもリラックスしながらゆっくり弾くです。「いやいやゆっくりでは弾けるんだけど速くなると弾けなくなるんですよ!」という声が聞こえてきそうですね。安心してください。私も長年そう感じていました。
ここで言うゆっくり弾くとはただ単に実際のテンポよりも遅く弾くということではありません。1を克服するためには指の「操作感」を、2を克服するには音同士の「連結感」を高めることが肝要です。
まずゆっくり弾く前に自分がどの音を弾く時に止まってしまうのか、間違えてしまうのか見つけます。その時大事なのは「この辺り」とか「このフレーズ」ではなく「この音を弾く瞬間」とできるだけ細かく特定することです。これさえ出来れば8割方解決です。なぜなら人が自分で問題を解決出来ない時、多くは何について悩んでいるのか自分でよく分かっていない時だからです。次にその箇所を絶対に間違えないで弾けるテンポよりさらに一回り遅いテンポで10回弾きます。その時間違えないで弾けたからと言って決して速くしてはいけません。その代わり1回1回だんだん頭の中と身体をよりリラックスした状態で弾くようにします。この「リラックスした状態で弾く」というのが1にも2にとっても非常に重要です。
私たちが何かを習得するときに目指すのはそれを「意識せずともできる」ようになることです。どうすればできるようになるのかはそれぞれ個別の方法はあれど最終的に目指すのがそれらを「意識しなくてもできる」であるなら、よりリラックスした状態で成功する体験を重ねることで自然とその目標に近づけるのではないか、というのが今の私の考えです。
楽器に限らず「脱力」は色々な場面で大事なこととして言われます。私も学生の頃先生に「お前に足りないのは脱力だ」と言われましたが自分では脱力しているつもりだったので、頭が硬いとか精神的な意味なのかな?とよく意味が分かっていませんでした。教える側になってようやく先生の言っていた意味が本当に身体に不要な力が入っていたことが解りましたが、いざ自分が教える側になっても「脱力」以外の適切な表現が見つかりませんでした。「脱力する」には(余計な力を)という枕言葉が隠れているのですが、かつて私が勘違いしたようにどこに余計な力が入っているのか自分で見つけられていない人に言っても上手く伝わらないことがあります。
余計な力が抜けている状態で何かが出来ている時、人はリラックスしながらそれをしています。リラックスしながらサイクリングをする時、脚にも手にも力が入っていますが自分では意識して力を入れている自覚はありませんし、どこかの力を意識的に抜いてるつもりもないのです。つまり「脱力」を意識してしまうこともまた理想的な状態ではないということです。この入力も脱力も意識せずに何かするためには「リラックス」という単語が一番適しているのではないか?というのが今のところの考えです。
私も日々勉強中ですので、我こそはもっと適した表現を知っている!という方がいらっしゃいましたらぜひご一報ください☺️皆んなでよりよい練習方法を探していきたいですね♪

趣味から始めるピアノ教室

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