先日、ブーニンのドキュメンタリー番組を見ました。
ショパンコンクールで優勝し、華々しくデビューしたのはずいぶん前のことです。けれどその後いつからかコンサートの話もなく姿も見かけないのは、闘病中であるからとは耳にしていました。その間ソ連からの亡命、それに病気や怪我を乗り越え、リハビリの末にこの夏復活コンサートが行われたことを知りました。
「昔は、ピアノの前に座ると何でも弾けた。でも、今は違う。期待してもらっては困る」と、そのような事をコンサートの前に語っていたようですが、その演奏は、やはり、昔からのファンを決して裏切らないものでした。
足のけがの手術で右より短くなった左足に、特注の底の厚い靴を履いて歩き、ペダルを踏む姿からは、壮絶なリハビリの様子が容易に想像できました。
それとともに印象的だったのは、夫人の力強い支えです。ステキなご夫婦でした。
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