アンコール曲について。
第1回公演 10月3日(土)14:00開演、大泉学園ゆめりあホールにて。「亜麻色の髪の乙女」
プログラム前半の最後に演奏した「版画」の作曲者C.ドビュッシーの作品『前奏曲集 第1巻』の第8曲。ドビュッシーに敬意を表し、あまりにも有名な珠玉の名曲をお送りしました。2分程度の小品ですが、その前に演奏されたベートーヴェンの確固とした構築された世界から、ふっと浮遊して別の空間を見るような…
第2回公演 10月22日(木)14:00開演。ルネこだいら レセプションホールにて。「亜麻色の乙女」&「ピアノのための『からたちの花』」
「亜麻色の髪の乙女」については上述の通り。
「からたちの花」は、北原白秋の詩による歌曲「からたちの花」を基として、その作曲者の山田耕筰がピアノ曲として作曲したものです。楽譜には「~白秋忌~」の記載もあります。この二人による作品は「この道」「ペチカ」「待ちぼうけ」など皆さんご存じのものも多いですね。
プログラム後半の1曲目に演奏した、徳山美奈子作曲「ムジカ・ナラ」の紹介をした際と思いは同様で、日本人作曲家による作品を発表したいとの思いからお送りしました。また、「ムジカ・ナラ」における、素朴なテーマを変奏していく手法から、歌曲「からたちの花」の変奏曲としてのこのピアノ曲に親近感を覚え、会場の皆さんと分かち合いたく思いました。
少し余談になりますが、NHKの朝ドラ「エール」で山田耕筰をモデルとした役を演じた志村けんさんが新型コロナウィルスにより亡くなられたことも、脳裏をかすめました。
第3回公演 11月8日(日)14:00開演。ふじみ野市立産業文化センター ホールにて。「亜麻色の髪の乙女」「クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌」&「からたちの花」
「亜麻色の髪の乙女」「からたちの花」については上述の通り。
「クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌」はスペイン人の国民的作曲家M.ファリャによる小品。ギター曲として作曲され、作曲者によりピアノ曲やオーケストラ曲に編曲されました。ハバネラのリズムに乗った悲痛な静謐な作品。本プログラムの「版画」第2曲の「グラナダの夕べ」の演奏前に紹介した「スペインに行ったことがないドビュッシーのこの作品の見事さに、スペイン人作曲家ファリャも舌を巻いた」エピソードを彷彿とさせるばかりではなく、曲の最後には「グラナダの夕べ」からの引用もあります。アンコールの舞台で期待される”お楽しみ”感やある種の開放感からは程遠い陰鬱な作品ですが、どうしてもこの場でお送りしたく、それをするのは今だなと確信した選曲でした。
最後に。リサイタル2021の公演のお知らせ。10月8日(金)19:00開演、ウェスタ川越 小ホールにて。10月29日(金)14:00開演、ルネこだいら 中ホールにて。12月10日(金)19:00開演、としま区民センター 小ホールにて。詳細は後日。
どうぞ来年も、健やかに皆さんと音楽を共にできますように…。
ふじみ野市 町の音楽教室
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