近年、シニア世代の関心が高まっているテーマの一つに「認知症予防」や「ボケ防止」があります。そのため、50〜80代向けの脳トレアプリやゲームも数多く登場しています。
実は、音楽を演奏すること自体が脳を活性化すると言われており、実際に、Forbes誌「音楽家の脳が「若い」秘密は楽器演奏、人生の後半から始めても効果的」でも、ピアノなどの「楽器演奏が脳の老化予防に役立つ」のではないかと研究も進められています。
ここでは、介護施設でも取り入れやすく、初心者でも気軽に始められる「ピアノレッスン」がシニア世代にもたらすメリットをご紹介します。
① 脳トレ効果がある
ピアノ演奏では両手の10本の指をバラバラに動かします。時には左右で異なる動きをしたり、手を交差させたりと、複雑な運動が必要です。
このような動作は脳の「側頭葉」を活発に働かせ、脳細胞に良い刺激を与えます。まさに「楽しみながらできる脳トレ」と言えるでしょう。
② 瞬発力や集中力が高まる
ピアノを弾くときは、楽譜を見ながら指を動かし、音を出します。慣れてくると「次はどの音だったかな?」と瞬時に判断して弾けるようになります。
この繰り返しによって、集中力や判断力が鍛えられ、日常生活においても反射的な動きがスムーズになり、ケガや事故の予防につながると考えられています。
③ 軽い全身運動になる
ピアノ演奏は、実は指先だけでなく全身を使います。腕や肩、足のペダル操作、さらに姿勢を保つための腹筋や背筋も働いています。
ウォーキングや軽い運動と同じように、無理なく続けられる「音楽を通じた運動」としても効果的です。
④ 記憶力の維持・向上に役立つ
ピアノを習っていた経験のある方は、何十年ぶりでも意外と体が覚えていて、短期間で当時のレベルに戻るケースも少なくありません。
また、曲を演奏するには旋律や伴奏を暗記することが必要です。これは脳の「海馬」を刺激し、記憶力を高める効果が期待できます。
発表会や施設内での演奏会を目標にすると、さらに脳に良い刺激となります。
⑤ 心の癒し効果
音楽には「癒し」の力があります。落ち着いた気分になれたり、元気がわいてきたりする効果は広く知られています。
介護の現場でも、音楽を聴いて記憶がよみがえったり、気分が明るくなったりする場面は少なくありません。
ピアノを通じて好きな曲を弾いたり、歌ったりすることは、日々の生活に楽しみや張り合いをもたらします。
ご家族や認知症に至っていない方への誘いかけ
ピアノレッスンは、認知症予防やリハビリだけでなく、「これからも元気で過ごしたい」と思う方や、そのご家族にもおすすめ です。
一緒に音楽を楽しむことで、世代を超えた交流や会話が自然に生まれ、日々の生活に笑顔が増えていきます。
例えば、
- ご夫婦で同じ曲を練習する
- ご家族が伴奏し、利用者様が歌う
- お孫さんと連弾に挑戦する
といった楽しみ方もできます。
認知症に至っていない方も「予防」として始めやすく、家族との新しいコミュニケーションの形にもなります。
まとめ
ピアノレッスンは「脳トレ」「運動」「癒し」の要素を兼ね備えた活動です。老人介護施設で取り入れることで、利用者様ご本人はもちろん、ご家族やまだ認知症に至っていない方にも、楽しく健康づくりに取り組んでいただけます。
「好きな曲をピアノで弾けるようになりたい」
「家族と一緒に音楽を楽しみたい」
そんな思いをきっかけに、ピアノが生活を豊かにする一歩となれば幸いです。
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