<日本に生きる瓶内二次発酵の魅力>

新春によせて。
ポーラちかこ・文化一考

シャンペン・スパークリングの
魅力的な泡は

瓶内二次発酵によってつくられ
繊細なきらめきになる。

シャンペンなら
ドンペリニヨンがやはり王者だろうか・・。

たしかに
ドンペリのこまやかな泡と

あの自然で極上の軽やかさは
他に類をみないもののように思える。

最近の人気ブランドにはない
特別な繊細さを
やはり感じてしまうのは
もちろん私だけではないと思うが。



 

 

いっぽう日本国内にも
ワイナリーや酒造で
瓶内二次発酵が行なわれた
貴重ですてきな醸造酒がいくつかある。

日本の自然と風土に抱かれて
日本らしい香りを創り出す醸造だ。

 

 

私がこれまでに出会った
頭の下がるような
貴重な日本のお酒は

ふたつある。

 

古い話しになるが

ある時
、
銘柄を聞かずにランチに
軽い気持ちで注文した
あるホテルのレストランの
ハウスワイン。

 

一口飲んで目が点になった・・
あの感動の瞬間を今も忘れない。

 

ちょうど
ハイドンの弦楽がかかっていた店内で

かつて飲んだことのない
繊細な香りと
美しい・・としか表現できない

素晴らしい 返り味に
私はしばし言葉を失っていた。

 

そんな忘れられない微発泡の
ワインがある。

 

どこの国の
どんなワイナリーのものなのか
元来の好奇心から興味津々となり

 

会計の折りに

胸おどらせた感想とともに
「これまでに多分、
一度も飲んだことのない
特別な感覚のワインでしたが。いったい・・?」と

ボーイに尋ねた。

 

するとすぐさま

 

わざわざソムリエが
奥から出ていらして下さった。

 

たかだかランチタイムの
ハウスワイン1杯のことだったため
わざわざソムリエに・・と

恐縮していたところ

半ばうれしそうに
いきいきとした表情で

このワインを造る
特別なワイナリーについて

丁寧にお話しして下さった。

 

 

うかがうところ

日本のワイナリーで
ていねいに造られた
特別な無濾過ワイン、とのこと。

つまり
濁り酒ならぬ

濁りワイン。

何とも魅力的な言葉の響きでもある。

 

偶然の瓶内二次発酵で
微発泡の残る
貴重な

にごりワインであることを知った。

 

この時のソムリエの
ラブリーなセンスだった。

 

 

うっすらとした
濁りから伝わって来た

あの 透明なインパクトは

日本の気候と風土が生んだものだったのだ。

 

国内ワイナリーのワインでは
稀少な感動だった。

このワインが
日本のワイナリーとは驚きだったが

さらに

画期的な
にごりワインとは・・

 

重ねて新鮮な驚きだった。

 

これが

琵琶湖畔、臨済宗本山にほど近い所にある
ヒトミワイナリーの
微発泡のにごりワイン。

 

国内生産のぶどうで
たいせつに造られたものだった。

 

農産物の宝物をいただいたような
気分になった。

 

以来 もちろんのこと
私はこの日本独特の繊細な
にごりワインの大ファンになった。

 

この細やかな香りの高さと
澄んだ味わいは

日本ならではのものだと確信する。

 

元来
日本人なら説明の要らない
生まれながらに自身の知る
ある意味 馴染みのある
清々しさかもしれない。

そして本年
このお正月に

 

かねてから気になっていた
日本の由緒ある酒造の

日本酒のスパークリングを
手にする時が来た。

 

めずらしいというだけで
軽々しく購入する気はなかっただけに

 

 

通常ランクのものは
たいして高価でもないのだけれど

このお酒の購入は

私自身が
このタイミングを待っていたかのように
これまでなかなか
手にすることはなかった。

 

 

にごりワインと同じく
瓶内二次発酵をさせた魅力的な逸品。

 

 

ことの発端は

昨年に偶然、
蔵開きに一時、
特別に蔵の外に出される

加水行程を経ていない
非常にデリケートな
原酒をこの酒造で取り寄せてからになる。

 

 

この原酒は
何とも清らかな静けさと強さを
感じるお酒だった。

もともと原酒は度数が高いため
強さはどれにもあるのだが

この時に感じた強さは

ただの強さではなかった。

 

むしろ
やさしさに満ちた強さであったのは

酒造りの地域的な特色も去ることながら

その地域の水と米の作り出す
清らかな静けさが
創り出すものだからだろうか。

 

お神酒をいただいた時のような

ピュアで神聖でやさしい感覚は
言葉にならないほど

心と身体にしみて

 

以来忘れられない日本酒となっていた。

 

 

その酒造は

山梨県にある七賢。

白洲の水がつくり出す
芸術品だ。

 

まさに頭の下がるような
静粛なお酒とでも言おうか。

 

本来、日本酒とはこういうものなのかもしれない。

かつて
明治天皇がお泊まりになったという
酒造だそうだ。

 

 

そして

この七賢が

苦心して創り出した

日本酒のスパークリングがある。

 

シャンペンと同じく
瓶内二次発酵をさせたものだとのこと。

 

やはりうっすらと、
おりの残る自然なにごり。

 

 

この逸品を
このお正月に賞味することになった。

 

 

まだ記憶に新しい感想は
というと

とにかくやさしい・
清らかでうつくしい・
香り高くてみやびやか・
春浅き風・・

 

これらの言葉で形容できようか。

そして
濁り酒の 透明感・・。

 

濁りと 透明という

相反するふたつが
同時に表れる特別な

郷愁。

 

そこにわずかに残る
自然な`おり`が

なだらかに連なる
日本の山々の早春の景色のように
シルキーでやさしく

風が澄んでいながらも夢ごこちの

春立つ空気を
思わせてくれるから

 

頬に伝わってくる
あの空気の清々しさとともに

 

まさに
春霞に出会うような
ひかえめなぬくもりある
透明感を感じさせてくれる。

 

 

そして

とにかくおいしい絶品だった。

 

 

そして何より

お米のフルーティーな香りへの
あらためての驚きは

あまりにも大きかった。

 

 

お正月料理とともにいただく
七賢の日本酒スパークリング。

一口ふくめば
文化の融合と言うより他に
表しようがないアートになった。

 

よくこのような思い切った開発商品を
伝統の中に成功させたものだと

再び 頭が下がる。

 

 

このたびは
千枚漬けや
塩麹のモッツアレラチーズ
アイスプラントやりんごのサラダ

そして思い切って
フォアグラとともにいただいてみた。

 

フォアグラとのペアリングには
少々勇気が要ったが

 

むしろ
貴腐ワイン以上のコンビネーションとも言える
フォアグラソテーとのマッチングは

我ながらに
大成功だったと自負する。

 

 

フランスのシャンパンや
ヨーロッパのスパークリングを
口にした時とのちがいは・・

というと

実は妙に
はっきりしている。

 

 

諸外国のシャンパンやスパークリングは
外に向けて派手めに広がり
盛り上がって行く感動

日本酒のそれは
内向する盛り上がりの限界に
はじけ溢れて描かれる感動であり

叙景的であるとさえ感じるような
遠目からの描写を想わせる。

 

このくらいの
はっきりとしたちがいはある。

 

 

叙景的な音楽や美術と言えば

19世紀印象派があるが

 

 

音楽や美術と同じく

表現のちがいであり文化のちがいが

 

そこにはたしかに

息づいていた。

 

 

クラシックのピアノ曲作品には

外向する表現と
内向する表現のちがいを

1曲の中で次々に
めまぐるしく変化させて表すことを
求められる作品が多々あり

また

 

個人の感情を排して
景色をただただ描いて行く

19世紀フランス音楽にある

ドビュッシーやラベル
フォーレのような
フランス印象派作品の色彩感と景色がある。

 

そのような表現感覚で言えば
この日本酒のスパークリングは

明らかに印象派作品のようだった。

 

 

日本の里の山々の
やさしい景色がそこにあった。

こうして出会えた

日本の貴重なワイナリーと
由緒ある酒造。

 

 

ともに
瓶内二次発酵の
本格醸造のお酒との出会いだが

 

ドンペリのような
特別に高価なものでは決してない。

 

しかし

私にとっては

心身に清らかに染み渡る

そして

静かにただしくいやされる

 

 

ドンペリ以上の

たいせつな

シュワシュワお神酒になった。

ポーラちかこ

 

 

子供たちには
先ず感性を育てるレッスンがたいせつです。

___MintMint___

 

ポーラちかこ・文化一考・波に正面から向かう三ツ星シェフ☆ニシンの生まれ変わり☆

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☆子供たちには最初に先ず感性を育てる感覚的レッスンが必要です☆ 幼児プレピアノはとくに大切な期間☆最初が肝心です☆ ピアノ大好き☆音楽大好き☆