ピアノ弾きが
皆、経る大切なピアノ作品

ベートーベンの
『ピアノソナタ』は

全部で32曲。

 

前期のものは
古典的なつくりとなっていますが

後期のものは
鍵盤楽器の移り変わりとともに

徐々にロマン的になり

ダイナミクスも
大きくなって行きます。

 

(ダイナミクスが出せる
新しい楽器が開発された
時代となります。)

 

ついにダイナミクスが
表現できるようになった
` フォルテピアノ `という
鍵盤楽器が開発されて

まさに
『水を得た魚』のようになった

大喜びのベートーベンと

 

同時に

『難聴』で苦しんだ彼の姿が
オーバーラップします。

 


(フォルテピアノができるまでの
チェンバロでの表現では
彼個人的には
作風的にみて
ずいぶん物足りないと感じたところも
あったかもしれませんね、☆)

 



 

op78 副題『テレーゼ』は
その中間に在る曲、とも言える
中期の作品。

彼にとっては
久しぶりの
ソナタ作品となっているようです。

 

彼の新鮮な境地が伺えるような

貴重な作品でもあります。

 

美しく優しい旋律が
とても魅力的なこの曲は

当時ベートーベンの弟子であった
伯爵令嬢テレーゼに
献呈した曲
だと言われています。

 

可憐でありながら
優美な表情を醸し出している
とてもメロディックで
素敵な作品です。

 

 

ベートーベン、、
と言ったら

ジャジャジャジャ〜ン!
強く激しいイメージばかりの方も

多いことと思いますが。。笑

 

 

このソナタ作品「テレーゼ」は

歌心あふれるもので

 

彼のソナタ作品の中でも
他とは少しちがった雰囲気を
持っています。

 

(よく誤解されやすいのですが
ベートーベンの作曲ライフは

すべて激しいかというと・・(笑)

 

 

『難聴』という悩みを除いては

必ずしもそうではなく

 

彼は「人間」を深く洞察し
その動く「ひとの心」を
そのままに受けとめ

おおらかに表現しようとする
作曲家であり、

 

その作品からは
`心の落ち着き場所`を

むしろ潜在的に
心得ている人物像が
浮かび上がります。)

 

 

____________

 

(シューマンとの違いを
ひとつの例とするなら
とくにこのあたりの事であり

精神を悩ませていた、というような
作品表現も
ベートーベン作品からは
あまり感じられず、)

 

♦︎「人の心への勇気をもったアプローチ」を
し続けた

 

どちらかというと

♦︎ご機嫌な・人物であり

 

 

♦︎うけとめのきく

♦︎『潔い作曲家』だと
言える面を


その作品群を解釈していて
強く感じます。

 

 

 

また筆者が
この「テレーゼ」を弾いていて

第一に感じるのは

 

『すなお』という感覚です。

 

 

時々、胸の中が動く
ディミニッシュ(減7など)
の和声が登場しながらも

 

わりとすぐに
トライアード(3和音)に
戻っているところなど

 

ベートーベンが
自身の気持ちを
度々、戻したいところを

知っていた・

 

そんな心の表れなのかもしれません。

 

 

そのバランスが

筆者には和んで感じられる、

そんな作品です。

 

 

ともあれ

。。☆

 

 

心和む
このような
ピアノ作品が捧げられた

 

令嬢、テレーゼに

 

ぜひ
会ってみたいものですね。。

 

 

イヴナットの不滅の名演奏で。

 

 

 

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